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今回は、先生方にとって最も頭が痛く、かつ開業の成功を左右するほど重要な人材についての考えをまとめて生きたいと思います。
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│ 1.どういう人材を選ぶべきか
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│ 2.どういう条件で募集するべきか
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│ 3.どういう媒体を使うべきか
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│ 4.面接のチェックポイントは?
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│ 5.雇用契約上のポイントは?
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▼ 1.どういう人材を選ぶべきか
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私どもの考えでは人柄が一番だと思っています。
クリニックの場合、看護師に高度な技術を必要とすることは少ないはずです。事務にレセプトの能力を求めなくても電子カルテがサポートしてくれます。それよりも、人柄で患者さんを呼べるスタッフがいることを知っておいてもらいたいと思います。
患者さんとクリニックが出会うとき、電話に出るのも初診で対応するのも、医師がやることは極めて稀で、ほとんどは事務スタッフや看護師が対応することになります。そこで、印象の悪い対応をされてしまったら患者さんは二度と来なくなります。
一方で、気遣いや思いやりのある対応(苦しそうなら支えてあげる。のどが渇いていそうなら水を出すなどの臨機応変な対応)を笑顔でできるスタッフがいたら、その人は患者さんを呼ぶことができるスタッフです。
流行っているクリニックには、まず間違いなく鍵となる人柄の良いスタッフがいます。
当然、医師のサポートとして効率的に動けることやテキパキとしていることなども大事ですし、看護師の注射や放射線技師の撮影のように、技術が重要な選定条件になることもあります。その際は、実際に注射を試し打ちしてもらったり、撮影をしてもらえば確認できます。しかし、それは診療における一定以上の基準を満たしていればよく、むしろ、外来で初めて会う患者さんや家族に対して、温かい応対や気の遣える応対ができるか、それを念頭においてスタッフの選定をして欲しいと思います。
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▼ 2.どういう条件で募集するべきか
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ある程度の人数に応募してもらえなければ、選ぶどころではなくなってしまいます。そこで、一定数のスタッフが応募をしてくれる条件を提示して欲しいと思います。当然、良い条件を出しすぎることは、クリニックの経営に響くことですので、工夫が必要です。
<例>
【給与】基本給、時給のいずれとも一定の幅で募集をする。最低ラインを低くしすぎない
【社会保険】最近は、社保の整備もスタッフの応募の条件になっていることが多い
【福利厚生】交通費実費は最低でも必要
【その他】開業時は“オープニングスタッフ”として募集をすることで、新しさやしがらみの無さに惹かれて応募してくれるスタッフも多い。
【年齢制限】中高年でも思わぬ優秀な人材はいるもの。あまり限定しすぎない
特に基本給や時給については、地域の他のクリニックの募集内容を良く見て、“ちょっと”良さそうに見せることが大事です。
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▼ 3.どういう媒体を使うべきか
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色々と経験をしてきましたが、地域によって、媒体ごとの効果は全く異なるようです。最低限検討をして欲しいのは次の媒体です。
─ ハローワーク
─ eナース他
─ 自院のホームページ
─ 以前の勤務先等のコネクション
─ 求人雑誌
─ 新聞折込
費用をかけずに行うためには、ハローワークやeナースを優先することですが、最近はホームページを充実することでスタッフの直接募集を集められるクリニックも増えているようです。また、新聞折込や求人雑誌は、1回数万~20万円くらいかかるものもあるので、試しながらでやりつつ効果を見極める必要があります。
ただ、インターネットでの求人情報サービスにも、比較的安価で反響があるものもあります。たとえば、(株)グッピーズなどは、無料は掲載1件(1職種)まで可能です。2~3職種掲載の場合も、ひと月31、500円(税込)~のサービスを行っています。当社の経験では、クリニックによっては1ヶ月で数件程度の反響が期待できるようです。まずは無料の範囲で自院の反響の様子を見て、その後有料サービスを利用するかを検討するのも良いかと思います。
新聞折込チラシも、一番小さい欄だと2万円台から可能なところもあります。クリニックの場所や条件、職種にもよりますが、この大きさでも10件以上の反応があるようです。
ただし、応募が無いからといって、一概に媒体を変えることが良いとは限りません。募集した自院の内容を、同じ媒体の他のクリニックの内容と見比べて、魅力的な内容になっているかをよくチェックしてみてはどうかと思います。
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▼ 4.面接のチェックポイントは?
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企業の人事部長や人材紹介の会社など、数多くのスタッフを面接している方は、入ってきて最初の一言二言で人物の大体はわかると言われます。それは、私も事実ではないかと思っています。挨拶・目の動き・言葉使いや全体の雰囲気で、その人物が人に好意を持たれる人物かどうか、また誠実かどうかは概ね判断をして頂きたいと思っています。
そのためには、できる限りの時間を割いて、多くの方の面談を院長が自分でいったほうが良いと言えるでしょう。10人も会うと、徐々に勘所がつかめてきます。
注意が必要になるのは、過去の履歴にしばられることです。仕事の履歴は過去の経験を示しているに過ぎず、それはその人物の能力を示しているわけではありません。例えば営業で10年経験すればどんな人も営業のプロ=物を売れるプロになるかと言うと、そんなことはありません。経理やレセプトなどは当然経験が物を言う面もありますが、それ以上に、その人の考え方やポテンシャルに目を向けたほうが、はるかに有用な採用になると思っています。
たとえば、過去の仕事について聞くときも、“何をしたか”ではなくて、“何を考えたか”、“何を悩んだか”、“何を楽しんだか”を重点的に聞いてみてはいかがでしょうか。
面接という短い時間で数名しか雇わないスタッフを決めるのですから、できる限り集中して真剣に選んで頂けたらと思います。
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▼ 5.雇用契約上のポイントは?
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最後に雇用契約ですが、これにも気をつけなければいけない点があります。
【基本給】労働基準監督署では最低賃金が定まっています。それ以上にはしなくてはいけません。また、残業や休日出勤は所定の割増(25-35%)賃金がかかります。
【勤務時間】週40時間が通常の常勤雇用です。ただし、従業員10名以下のクリニックであれば、状況によって週44時間まで認められます。もちろんそれ以下であれば週何時間でも問題ありません。
また、この勤務時間には休憩時間を含みません。ただし、従業員にとっては、休憩時間といえど拘束されていることにかわりはありません。長い休憩時間を挟まない、シフトで上手に調整するなどの工夫が必要です。
【各種保健など福利厚生】社会保険(健康保険・厚生年金)の事業所登録は従業員が5名未満であれば任意となりますが、労働保険(雇用保険と労災保険)は、従業員が1名でもいれば加入の義務があります。また、交通費は一定額以上だと課税対象となります。
このあたりは募集条件とも重なりますが、一度、税理士や社労士に確認して頂くと良いと思います。
【退職金】実は、退職金は規定が無ければ払わなくてもいいのです。ただし、これがスタッフ定着の鍵になる場合もあるので、慎重に検討しましょう。
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最後にオープニングスタッフとの関係についてお話をさせていただきます。
新規開業の7-8割のクリニックでは、オープニングスタッフは3年以内に辞めていくことが多いです。これは、開業当初は何もかも新しくて面白く、かつ患者さんも少なくて自由度が高かったのが、2-3年すると、患者さんが増えてルーチンワークが多くなり、一方で給与も思ったほどあがらないということに関係すると思います。
経営側から見ると、2-3年ではまだまだ借入金も多くて余裕は無く、ようやく赤字を脱却したぐらいですからそれほど給与を増やせるわけがないのですが、そのあたりはどうしてもなかなか理解が得られないことが多いです。
そのため、どれほど良い人材であっても、オープニングで最高の条件で採用することは避けて欲しいと思っています(医師は別です。その分、働いて返すことができますから)。
最初はぎりぎりの水準で採用し、経営や働き振りを見ながら少しずつ条件を良くしていく事が、スタッフとの良い関係を築くために大事なことではないかと思っています。開業当初にここまで考えるのは大変かもしれませんが、スタッフは貴重な戦力ですので、できる限り良い関係を維持できるように工夫をしていきましょう。
(取締役・コンサルティング事業部長 小松 大介)
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