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取締役・コンサルティング事業部長 小松大介
仕事柄、医療機関の現場の悩みを常にお聞きすることになるのですが、
その約半分以上を占めるのが、人事や労務に関する悩みです。
医療機関にとって、スタッフというのはサービスの品質を決める中核であると共に、
コスト面でも平均して売上の半分強を人件費が占めることが多い(注:クリニックの院長人件費
含む)ため、その上手な管理というのは経営における肝となります。
さて、人事・労務に関する悩みを大別すると
1.採用募集
2.人事考課(昇給、賞与)
3.人間関係
にまとめられます。
以下、これらの悩みそれぞれについて、私が現場で出会う現実の課題と、
解決に向けての考え方を整理したいと思います。
1.採用募集
どんな医療機関であっても、採用募集を全くしていない医療機関というのはお目にかかった
ことがありません。
医療機関の世界では、平均して毎年3割近くの人員が入れ替わっており、常に3割の
スタッフが新規採用されているということになります。
その中で、良い人材を見つけることや、そもそも施設基準を満たすだけのスタッフを集める
ことは、経営における重要な課題であり、相談も多いテーマになります。
我々はこれらの課題に対して、一つの考え方を持って臨んでいるのですが、それは、
”スタッフ募集もマーケティングである”という点です。
医療に関する資格を持ち、かつ医療機関で働きたいという人は、よほどの僻地でない限り
必ずいるはずです。
それでもスタッフが見つけられないのは、近隣の医療機関や似たような業務の医療機関と
比較して、職場が魅力的でない(魅力的に見えない)ことが原因の一つになります。
マーケティングであるとするならば、“認知=名前を知ってもらう”、“試行=見学・面接にくる”、
“継続=採用が決まり辞めずに勤める”という点を意識して対応することで、
おのずと対策を立てることが可能となります。
我々の経験でも、ある地方自治体の医療機関(町に唯一の病院) で、医師募集をお手伝い
したプロジェクトですが、1年以内に医師の過半数が辞めてしまうということから、
その採用のお手伝いをさせていただくことになりました。
その時、このマーケティング的な考え方を活かして、病院の魅力を調査・整理し、
それを全面に打ち出した採用活動を行ったところ、結果として辞める分の医師を全て集める
ことができたのです。
このときに言及した魅力は、病院と町民とのしっかりとした信頼関係、地域医療に根差した
活動、また田舎であるがゆえに豊かな自然環境などです。
つまり、きちんと病院の特徴を認識・整理して、魅力的に見えるようにPRすることにより、
スタッフがそこに魅力を感じて集まってきてくれたのです。
マクロ的には人材不足であることは間違いない医療業界ですが、それぞれの医療機関の
創意工夫によってスタッフ募集も少し差をつけることが可能になります。
この少しの差が、募集においては大きな差となりますので、改めて現在の募集方法や
募集文句を見直していただくとよいのではないかと思います。
次回は、人事考課と人間関係について、お話をしたいと思います。
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