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- メディヴァ メールマガジン No.010(2006/07/05)
新規開業 / 成功する人、しない人

同じ医師でも、「サラリーマン」である勤務医と、「起業家」である
開業医は全く「異なる職種」とさえ言えます。勤務医は、病院の看
板のもとで診察し、機材も人も病院のものを使います。診察する
患者の数が多くても少なくても、給料は大きく上がることも下が
ることもありません。一方、開業医は「自分」の看板で患者を呼び、
ヒト・モノに投資をし、成功しても失敗しても自分に跳ね返って
くることになります。開業して成功する人と失敗する人の分かれ
道は、「起業家」になり切れるかどうか、に尽きるのかもしれませ
ん。

そこで今回は、成功する開業(=起業)の5つのポイントを挙げて
みたいと思います。

◆ 1) 「商品」に魅力があるか
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どんな事業であったとしても商品に魅力がなければお客さんは来
ません。開業医の場合、「商品」とは自分の医療サービスというこ
とになります。ただ、ここで注意をしなくてはいけないのは、医
療技術は医療サービスの核ではありますが、全てではないという
点です。特にクリニックの場合、大病院とは異なり患者さんはサ
ービス的な要素をも求めて来院します。この場合の「サービス」と
は、何も特別なことではありません。中でも最も重要なのは、先
生とのふれあいやコミュニケーションです。いくら腕が良くても、
患者さんへの共感が薄い医師や、患者さんと一般的な会話が出来
ない医師は、開業医としては成功しにくいようです。そういう意
味では、医師や医療界以外の人とも会って、見聞、経験を広める
ことも開業準備時には必要だと思います。


◆ 2)「患者ニーズ」に合わせられるか
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開業医として成功する医療サービスは、その時々の患者ニーズに
合致していることが求められます。クリニックは収入の大部分が
診療報酬に依存しているため、保険制度に反映された「患者ニー
ズ」を捕らえることは必要条件になります。例えば、昨今は病院
における入院を減らして、在宅における療養を増やす傾向にある
ので、在宅医療への対応は開業医にとって大きな核となると思い
ます。

またこのとき必要なのは、2年に一度の診療報酬改定に一喜一憂
することではなく、大きな時代の流れ(入院から自宅療養へ、効
果が見えにくい医療の削減、薬を用いた治療から生活習慣の改変
による根治へ、等々)を理解する必要があります。


◆ 3)「事業」としての組み立てができるか
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「開業」は「事業」を起こすことですから、「事業」としての組み立て
が出来ていることが必要です。「事業」としての組み立てとは、主
として立地戦略、投資・コスト戦略を意味します。

まず立地に関しては、「憧れの立地」と「成功する立地」は異なるこ
とを肝に銘じておかなくてはいけません。診療所の増加が著しい
昨今でも、診療圏内に患者はあふれ全く競合医療機関がない地域
はまだ存在します。しかしながらそれらの多くは、決しておしゃ
れな地域でもなく、自宅近辺でもなく、住宅地としては人気が下
がる郊外の立地であることもあります。成功を目指すならば、
「憧れの立地」にとらわれるべきではありません。

また投資・コストは、一概に絞ることが目的ではなく、収益性と
の「バランス」が大事になります。当社が開業支援をさせて頂いた
クリニックでも、医師が臨床以外にも研究、家族にも時間を使い
たいと思った結果、収益性が低くても成り立つように極端に投資
を抑えて成功したケースもあれば、市場性があるため数億円を投
資し、毎日500名以上の患者が来院して成功したケースもありま
す。


◆ 4)「組織作り」が出来ているか
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クリニックは医師一人で運営するものではありません。看護師、
事務等のスタッフが居て初めて成り立つものです。スタッフのモ
チベーションや、患者サービスは、クリニックの成功を大きく左
右します。例えば、クリニックに初めてかかろうと思う患者さん
はいきなり来院せず、まずは電話などで様子を聞きます。その時
につっけんどんに返事をしてしまうと、その印象がクリニック全
体の印象となってしまい、来院を阻止してしまいます。院長が明
確なビジョンを持ち、細かいことまで気を使い、従業員を指導し、
最終的にはスタッフ同士が研鑽し合う「組織作り」が理想です。

当社の経験では、スタッフの意識が高く、研鑽を積んでいるクリ
ニックほどスタッフ満足度が高く、スタッフ満足度が高いクリニ
ックほど人件費は低いようです。これは、給与で引き止めなくて
も、スタッフが居続けたい「組織作り」が出来ているからです。


◆ 5)「頑張る」ことができる
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開業当初、患者数も少ない中でもどれだけスタートダッシュをか
けて頑張れるかは、クリニックの長期的な勢いを決めます。患者
さんの印象、院内の組織文化は開業当初の1年間で決まってきま
す。開業して数年経ち、経営も安定した時期にも、細かいことに
も気を使いながら、常により良い医療と患者サービスを目指して
頑張れるかは、地域におけるクリニックの位置づけを決めます。
一旦開業したら、通常は20年、30年、辞めることは出来ません。
何十年も頑張れるかどうかが医師としての人生を決めます。そう
いう意味では、成功のイメージ、ビジョンを開業当初から明確に
持つことが重要です。成功の定義は一つではありません。自分に
合った成功を目指し続け、頑張れることが最終的に成功に繋がる
最も確実な方法であると言えます。

( 代表取締役 大石佳能子 )

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