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- メディヴァ メールマガジン No.010(2006/07/05)
連載 開業プロセスと成功するポイント <事例>「コンセプトを反映したクリニック」

これまで、コンセプトや“売り”をどのように作り、どのように
実現させていくかというお話させて頂いてきました。ここで、3
つのクリニックの事例をご紹介したいと思います。

これらのクリニックは、最近、当社が開業のお手伝いをさせて頂
いたクリニックです。それぞれにコンセプトや“売り”が異なる
ため、結果としてかなり雰囲気の異なる3件のクリニックになっ
ています。今回は内装やインテリアなどの全体的な雰囲気から、
コンセプトを実際に上手に反映させた事例として、ご紹介したい
と思います。これで、“思い”を実現するという例を具体的にイ
メージしていただけるのではないでしょうか。

<事例紹介>
◆ A.肝臓がご専門の消化器内科
~ 大人のための落ち着いた内科 ~

◆ B.地域密着の小児科
~ 居心地のよい地中海のテラスハウスのような小児科 ~

◆ C.専門性が極めて高い児童精神科
~ 子どもが安心して遊びまわれる児童精神科 ~

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◆ A.肝臓がご専門の消化器内科
~ 大人のための落ち着いた内科 ~
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 1件目は、田園都市線の梶ヶ谷駅近く、駅からのメイン通り沿い
で郵便局や農協、銀行に隣接する消化器科内科です。患者さんの
対象が肝臓を中心とした消化器全般の方々であることもあって、
落ち着いたシックな内装に仕上がっています。
天井高は約3m、入って右手にはガラス張りのバルコニーのような
待合室になっていて、観葉植物が取り囲んでいます。床はビニー
ルではなくほぼ本物を用いたフローリングを用いており、受付カ
ウンターには、特別に選んだ素材(木)を何度も職人がワックスが
けした板が重ねられています。壁は、床から腰高までは木、腰よ
り上は水色のペンキと、色合いが地中海風をかもしだしています。
家具には北欧からの輸入品を取り入れ、室内のアクセントとなっ
ています。先生が特に力を入れたトイレは、底が浅く広い洗面台
と、正面・左右に鏡張りを行い、ドアノブ・便器の一つ一つにこ
だわりが見られます。
全体として感じるのは、落ち着いた大人の空間です。自分の本を
持ってきて、待合時間中に読書を楽しむくらいの余裕ができるか
もしれません。

▼ そめや内科クリニック
http://someya-clinic.jp/

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◆ B. 地域密着の小児科
~居心地のよい地中海のテラスハウスのような小児科 ~
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 2件目は、古都鎌倉の駅前、週末には数多くの観光客が目の前を
行き来している場所に立地する小児科です。近所の病院にお勤め
だった先生がご開業されたのですが、とても海が好きな先生らし
く、室内は地中海風とも海辺の別荘とも見える雰囲気になってい
ます。床・壁・天井が白と青を基調に構成されており、床のフロ
ーリングも白っぽいもので大変明るい室内です。もともとの天井
高は2mそこそこで高くないのですが、天井を取り除いて屋根まで
吹き抜けにした結果、広がりと趣のある空間が生まれました。小
児科であることもあり、室内はあまりパーティションで区切らず
に一つの空間として診察室・処置室・検査室がつながっています。
先生も大人も子どももあちこちに自由に動きながら診察ができそ
うなイメージです。インテリアはアンティーク調で、物件自体が
元々持っている風合いとマッチして、新規開業なのに、落ち着い
た雰囲気を作り出すのに成功しています。
また、このクリニックは電子カルテがMacintoshのWINE Styleで
す。私自身はWindowsユーザなのですが、Macの白くてまぁるいデ
ィスプレイやマウスはPCの機械的な雰囲気を脱して、インテリア
としても機能しています。

▼ 医療法人プラタナス 鎌倉アーバンクリニック
http://www.kamakura-urban.ne.jp/

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◆ C. 専門性が極めて高い児童精神科
~ 子どもが安心して遊びまわれる児童精神科 ~
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 3件目は、世田谷区の閑静な住宅街、その中でも尾山台駅前の賑
わいある商店街に位置します。精神科ということで、入口はわか
りにくく奥まっていますが、入口を入って階段をあがってクリニ
ックに入ると、その内装に驚かされます。精神科として落ち着い
たイメージかと思いきや、全くの逆で、明るい色彩をふんだんに
取りつつ、穏やかな雰囲気を醸し出しています。待合室はグレー、
子どもの遊び場(アルコープ)はグリーン、診察室は青とスペース
ごとに色彩にテーマがあり、心理検査室はなんと赤です。赤は医
療機関では敬遠される色ではありますが、彩度を落として穏やか
な雰囲気を維持しています。クリニック自体は比較的小さいスペ
ースで天井も2mほどと低いのですが、それが逆に全体の雰囲気を
くるまれているようなイメージにしており、友人の家に遊びに来
たかのような落ち着きがあります。

これらが相まって、精神的に不安定になっている子ども達も安心
して落ち着ける、何かに守られているようなイメージを与える空
間です。

▼ 尾山台すくすくクリニック
http://www.oya-suku.com


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これら3つのクリニックから、コンセプトの違いをイメージして
いただけたのではないかと思います。対象となる患者さんのイメ
ージ、立地との関係性、設計・施工を手がけた建築家や施工業者、
そして何よりも先生のお考えが上手に反映された結果、見事にそ
れぞれの味のあるものができあがっています。

このように、クリニックのコンセプト、“売り”を充分に練り、
それを反映させるように投資のバランスを整える。この結果、医
師やスタッフにとっては楽しく勤務できる職場、患者にとっては
通いやすい空間が生まれるのだと思います。

( 取締役・コンサルティング事業担当 小松大介 )

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