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事業計画が策定でき融資を得られると、多くのドクターにとって頭が
痛い資金関係は一段落です。次は、建築計画という楽しい作業が始ま
ります。建築は、数年にわたってご自分が勤務する場所を造ることで
す。実利的な効率性を追い求めるのは当然ですが、一方で、毎日働い
ていて楽しい場所を作るという気持ちで臨んで頂きたいと思います。
▼ 建築計画の流れと注意点
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建築計画についての大まかな業務構成は、次のようになります。
1) 建築家の選定
2) 基本設計(平面図)
3) 実施設計(立面図、部材選定、インテリアなど)
建物から建てる場合と、テナントを借りて内装から始める場合では、
工程に若干の違いがありますが、いずれにしてもまずは平面図の設計
から始めます。平面図は各部屋の大きさと数から考え始め、徐々に動
線設計、部屋の配置、医療機器、家具のレイアウトと細かくなってい
くことが一般的です。多くの場合には建築家に頼んで図面を描き始め
ることになりますが、描き始めるにあたって気をつけて頂きたいこと
があります。
◆ 注1:いきなり図面にとりかからず、事前にできる限り多くのクリ
ニックを見て施設のイメージを持つ
◆ 注2:可能であれば一人の建築家ではなく複数の建築家によるコン
ペを行い、コンセプトの考え方やセンスから選ぶようにする
◆ 注3:コンペ・図面依頼にあたっては、事前に文章で先生の考え方
をまとめておくと良い(診療内容、スタッフ数、部屋数、部
屋の使い方など希望を書き出す)
▼ 1) 建築家の選定
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コンペについては考え方は色々ですが、平面図だけではなくインテリ
アの選定やパース(立体視されたイメージ図)をつけて説明して頂く
方が良いと思います。最初のコンペまでは営業として無償で対応して
頂けることも多いですし、逆にしっかりした提案から選定をしたい場
合には、コンペ費用をお支払いして募るということもありえます。い
ずれにしろ、経験や実績のみならず、考え方やコミュニケーションな
どの相性が建築家選定においては大変重要なポイントになりますので、
慎重に選ばれることをお勧めします。
▼ 2) 基本設計(平面図)
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平面図作成は、部屋の広さと数、動線を含めたレイアウトのチェック
から始めます。このとき重要なのは、誰の視点で設計をするかという
ことです。まずは患者さんの視点を強く意識して欲しいと思います。
当社の開業医アンケートでも、待合室やトイレを広く、居心地の良い
ものにしたクリニックのほうが、概ね流行る傾向にあります。例えば、
待合空間が広くてゆったりくつろいで待つことができること、座って
いる患者さん同士の視線が上手く外れていることや、子どもと大人の
スペースが別れていること、またふっとくつろげる工夫(ソファーや
照明、音楽)がされていることなどが思わぬほど患者さんの来院状況
に影響を及ぼしているように考えています。
そういう意味では、平面図作成の段階からインテリアデザインも意識
して、家具や照明、装飾を考えておくことをお薦めしています。家を
造られた方は経験があると思いますが、インテリア一つで部屋のイメ
ージががらっと変わってしまうことがあり、よく考えた設計によく考
えたインテリアがピタリとはまると、予想以上の空間を生み出す効果
があるからです。
患者さんの視点を意識したイメージがはっきりしてきたら、次は効率
性や働きやすさを考えて動線設計や部屋のレイアウトにとりかかりま
す。やはり、医師とスタッフが効果的なコミュニケーションをとりつ
つ、効率的に動けることは医療サービスの品質にかかわりますので、
よく使う部屋は近くにおき、できる限り汚物や検体は裏にまわすよう
にすることが基本となります。使用頻度の低いX線室や、診療時間と
使用時間がずれているスタッフルームなどは端の方にし、診察室・検
査室・処置室と事務室をできる限り近くに寄せることがポイントにな
ります。
▼ 3) 実施設計(立面図、部材選定、インテリアなど)
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こうして平面図ができると、次は実施設計に移ります。ここから先は
しばらく建築家や設計士などの専門家に任せることになります。
専門家からあがってきた図面を元に、ドアの形や窓の位置、照明の場
所などを細かくチェックしていきます。ここでは図面から完成をイメ
ージするという作業が求められ、なかなか苦労を強いられることが多
います。しかし諦めずにしつこく質問を繰り返しながら、理解し納得
していって頂きたいと思います。
壁紙、床板、水洗器具などの素材についても写真やサンプルでよく確
認します。値段が高いから良いものだろうとか、お薦めだからいいだ
ろうなどと安易に結論づけずに、一つ一つ丁寧に確認して頂けたらと
思います。部屋の部材と同様に、インテリアも平面図の設計時に想定
していたものが本当に素材と合うのかどうか、この段階でチェックし
ます。
設計のプロセスは、ある部分は専門家に頼らざるを得ない作業ではあ
りますが、専門家任せにするのではなく自分の耳で話を聞き、自分の
目でよく見て、納得いく形で結論を出して頂けたらと思います。手間
をかけた分、良い物を得られることは、建築については間違いがない
と考えています。
( 取締役・コンサルティング事業担当 小松大介 )
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