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前回、開業の成功を左右する最も重要な要素である“立地選定”を(1)都市エ
リアか郊外エリアか、 (2) 駅前か住宅地か、(3) 周辺人口分布はどうなって
いるか(昼間人口や夜間人口)といった観点から、検討すべき事項や注意事項を
みてきました。今回も、前回に続けて、下記の立地選定のポイントを順を追っ
てみていきたいと思います。
(4) 連携・競合医療機関の分布はどうなっているか
(5) 1階か、他の階か
(6) 駐車場の台数はどのくらい確保できるか
(7) 隣はビル・マンションか空地か戸建か
▼ (4) 連携・競合医療機関の分布は?
立地選定の中でも大きな要因のひとつは、連携・競合医療機関です。当たり
前のようですが、同一の診療科目のすぐ近くの立地を選ぶようなことは避けた
ほうがよいと思います。そもそも地方によっては、医師会との関係などによっ
て同一の診療科目を近隣に作ることがそもそも難しいエリアもあるようです。
しかし一方で、一般内科の開業という意味ではかなり過剰になっているエリ
アでも、専門となる特定の診療科目であればまだまだ空きがあることもありま
す。私どもの経験でも、婦人科や皮膚科、耳鼻咽喉科などは半径5kmにわたっ
て同じような診療科目がないこともありました。たとえ開業密集地域と思われ
ても、近隣の医療機関の特性をよく見極めてご自分の専門性との比較により新
しい市場が見つかることがあるかもしれません。
▼ (5) 1階か他の階か
ほぼ全ての科目において1階がお薦めです。医療とはいえ、やはり新規の患
者さんを定期的に受け入れていくことが安定した患者数を確保する要因の一つ
になるからです。したがって、道端を散歩していたり買物途中に気がつくよう
な1階はそれだけで十分な宣伝効果となります。テレビのCMと同じように、何
度も何度も繰り返し同じ名前を見ていると徐々にその名前が馴染んできて、い
ざというときに思い出しやすくなります。また、すでに患者さんが入っている
ことをすりガラスなどでそれとなく見えるようにすることで、新規の患者さん
に安心感を与えたり、さらに入り口からのバリアフリーにし、杖や車椅子、ベ
ビーカーの方々へのストレスを少なくすることもできます。
ただし、患者さんが少し人目を避けて入りたいケースが多い婦人科や泌尿器
科など診療科目の特性によっては、敢えてビルの2階がよいこともありますし、
たまたま駅から見えるなど理由から3階以上が目立つケースもあります。
▼ (6) 駐車場の台数はどのくらい確保できるか
駐車場は、郊外に行けばいくほど極めて重要な投資となります。患者さんと
は不思議なもので、ある程度の待合室の混雑や駐車場の空きをみて、クリニッ
クに入るかどうか考えているところもありますので、やはり駐車場はあったほ
うがいいと言えるでしょう。
駐車可能な台数は多いに越したことはないのですが、当然お金がかかります。
適正な台数についてはいろいろな考え方がありますが、ここではその一例を挙
げてみます。例えば1日100人の外来をと考えているのであれば、1時間あたり
10-15人程度の来院が考えられます。場所によりますが、その7割が車での来
院であると考えると、1時間に大体7-10台の駐車場が必要になります。また、
自分を含めた従業員が車での通勤と考えると、その台数を加えて、大体20台の
駐車場が取れると余裕があるなと感じられます。
▼ (7) 隣はビル・マンションか空き地か戸建か
クリニックは、それ自体が一つの大きな広告宣伝媒体でもあります。もしも
両隣が一戸建てであったり空き地であると、クリニックの外観がそのまま大き
な話題になり、口コミなどで宣伝効果を期待できますし、ビルやマンションの
場合は、表に出す看板に工夫を凝らすなど、どのようにしてクリニックを遠目
に認めてもらえるかの思案のしどころということになります。
以上、土地選定における7つのポイントを、2回に分けてみてきました。今ま
での経験やデータなどを見て、一概にこれなら間違いなく成功すると言い切れ
る立地・物件に会えたことはほとんどありません。特に都心部では開業医過剰
になりつつあり、特定の診療科目の特定のエリアでのシェア確保などに絞らな
いとなかなか良い立地にはめぐりあえないことが多いのが現状です。
一方で、立地が開業の成功を左右することには間違いありません。ある程度の
事業プランと資金の見込みがたったら、本当にコレだと思う立地にあたるまで
待つ覚悟が必要になるかと思われます。実際、私どもがお付合いをしている先
生でも、物件が決まるまでに1年やそれ以上かかることもあります。あまりあ
せらずにじっくり構えておくのがよいのではないかと思います。
次回は、”市場調査と患者数見込み”です。
( 取締役 コンサルティング事業担当 小松大介 )
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