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医療機関を取り巻く厳しい経営環境下において、2008年4月に行われた診療報酬改定は本体+0.38%、全体では-0.82%の改定率となり、若干は厳しさが緩むのではないかと期待されました。そもそも、医療費は人口の高齢化に伴い毎年3~4%ずつ増えていくのが通常ですが、日医総研の緊急レセプト調査(08年4~6月のレセプトを前年同期と比較)によると、医療費は全体で-0.31%と逆に減ってしまっており、診療所-1.85%、病院+0.68%と特に診療所に非常に厳しい結果となりました。これは、患者さんの単価が減ったというよりも、患者数が減ってしまったことが大きいと考えられます。今年は、後期高齢者制度の導入をはじめとして、医療費削減の風潮が世に広まったことや不景気の風によってそもそも医療費でさえも抑制せざるを得ない厳しい患者さんが現れ始めているのではないかと思われます。この結果、医療機関の経営も非常に厳しい状況となりつつあり、資金繰りや返済の猶予(リスケジュール)などをご相談にこられる医療機関も非常に増えてきました。
しかしながら、このような厳しい情勢下でも着実に経営を行い、業績を伸ばしている医療機関もあります。例えば精神科は外来患者数が増え続けており、通院精神療法の5分間ルールの逆風はありつつも、クリニックごとの患者数も増える傾向にあります。また、経営が厳しいと言われる内科や産科、小児科のクリニックにおいても、立地を慎重に選び競合が少ないところでの開業を行うことで、3ヶ月~半年程度で損益分岐点に達するところがあらわれています。病院においても、消化器や心臓、分娩などの専門性を強化し集患に成功しているところがあります。厳しい状況下だからこそ、医療機関ごとの特性や経営で大きく差がつくような気がしています。
来年以降の医療機関を取り巻く環境は、相変わらず厳しい状況であることは変わりがないと思います。なぜならば、日本の高齢化が進むことは間違いがなく、それを負担する現役世代が減っていくことは周知の事実だからです。しかしながら、潮目がかわる予兆もあり、11月に行われた社会保障国民会議では、2025年度の社会保障費(医療+介護)が現状の41兆円程度から85~94兆円になるシナリオが示されました。また、2006年度の骨太方針として5年間で1兆1000億円(毎年2200億円)の社会保障費削減が約束されましたが、この負担についてもいろいろな議論が起きています。その意味では医療機関にとっては、ここ数年が耐えどきです。厳しい時だからこそ、改めて自分たちの強み弱みを明らかにし、地域にあった適切な戦略や経営をおこなって厳しさに耐えられる体力をつけていただきたいと思います。
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