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Profile
株式会社メディヴァ
取締役 コンサルティング事業部長
小松大介
神奈川県出身。 東京大学教養学部大学院修了。 広域システム専攻。 人工知能やカオスの分野を手がける。 マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、(株)メディヴァを創業。 マッキンゼー時代には、データベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門としていた。 「医療の情報化」をテーマに、医療変革を目指す。 現在、新規開業支援、病院コンサルティング部門のリーダーをつとめる。
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医療機関経営の日記 コンサルタントとして日々直面する病院・クリニック経営の課題に迫ります
« 第17回 病院経営再生の現場報告(前編) | メイン | 「今年の医療界の状況と来年の展望」 » 2008年11月18日
第18回 病院経営再生の現場報告(後編)

 しかしながら、その内情はスタッフ一人一人が改善したわけではなくて、こう
した取り組みに賛同した約半分のスタッフがいて、残りは退職をしていったのが
事実です。人は、ある業務や忙しさになれてしまうとそれを変えるのは大変なス
トレスがかかります。その意味では、人数をほとんど増やさずに、売上を2倍に
することのストレスは大きく、それでも半分は残ってくれてよかったというのが
正直な気持ちです。

 また、これと並行して進めてきたのが、営業・マーケティングの強化です。人
間ドックは、すでに一般的でコモディティとなっているサービスです。市場は飽
和し、競合も数え切れないほどいる業界です。また、人間ドックの利用者は、約
半分が企業の健保組合から何らかの補助を受けて受診しており、それらの健保組
合との基本契約を交わさない限り、利用者が希望しても補助を受けられず、結果
として受診できないという構造になっています。そして歴史のある医療機関が健
保組合と古くからの契約を維持し、その関係が強固にできあがっているという壁
もあります。その意味では、BtoB(対健保組合)、BtoC(対利用者)の両方を念
頭に置いて進めなければならない、難しい対応をせまられるサービスになってい
ます。

 そうした状況下に置いて、我々が取り組んだこと、それは次の4点です。

1.商品の差別化ポイントを明確化しマーケティング
2.健保組合をターゲット化
3.数多くの連携を実現
4.イベント、セミナーの実施

1.差別化ポイントを明確化しマーケティング

人間ドックを実施する医療機関はあまたありますが、女性に特化した、機能的に
も乳腺や婦人科に力をいれた医療機関はまだほとんどありません。また女性専用
ということでスタッフが一部の読影医師を除いて全部女性であることも特徴的で
した。マーケティング(HPやちらし、その他記事)においては、この点を徹底
的に強調し話をしていきました。またその一方で、既存の健診のメニューもそろ
え汎用性と特異性を同時に実現する商品を開発しました。その結果、普通だった
ら年度途中では受け入れてもらえない健保組合などでも、女性のためにというこ
とで、話がスムーズに進むことが多くありました。

2.健保組合をターゲット化

健保組合においては、組合員に対して手厚い対応を心がけているところがありま
す。そうした健保組合では事務局長や担当者の意識も高く、女性への特化や高度
検査といった点に強く反応をしてもらえます。そこで、健保組合ごとに健康診断
への取り組み状況を調べたり、会社の特徴から組合員の構成(女性の割合)を推
定して、より当クリニックにマッチするところをリストアップし営業が回りました。

3.数多くの連携を実現

人間ドックにおいては、前方連携としてのさまざまな営業提携と後方連携として
のがんの高度診断や高度治療が重要な鍵となります。前方連携については、同じ
ビルにある自然食品の店と提携をしたり、有名なパン屋とサービス券の提携など
を行いました。人間ドックの利用者はその多くが健康な方ですので、こうした付
加価値は一つの価値として受け入れられたように思います。また、後方連携とし
ては、この分野で有名な医療機関と提携をし、非常勤の医師の受け入れなどを行
いました。結果として、利用者の方は、自分のがんを見つけた先生とより高度な
医療機関でも会うことができるようになっています。

4.イベント、セミナーの実施

また、健保組合ルートととは別に、クリニックの認知度向上や、女性向け人間ド
ックの必要性をアピールするため、地元の企業と提携したイベントを開催したり、
雑誌や企業主催のセミナーに積極的に参加し、先生方に医療知識や治療内容をご
説明いただいたりしました。

こうした取り組みによって経営は徐々に改善をし、現在、1年前の倍の売上と利
益も黒字化の目途が立ったところです。決して難しいことではありませんが、や
るべきことを一つ一つ設定して、戦略的に進めることで確実に成果はでると感じ
ております。

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