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Profile
株式会社メディヴァ
取締役 コンサルティング事業部長
小松大介
神奈川県出身。 東京大学教養学部大学院修了。 広域システム専攻。 人工知能やカオスの分野を手がける。 マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、(株)メディヴァを創業。 マッキンゼー時代には、データベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門としていた。 「医療の情報化」をテーマに、医療変革を目指す。 現在、新規開業支援、病院コンサルティング部門のリーダーをつとめる。
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医療機関経営の日記 コンサルタントとして日々直面する病院・クリニック経営の課題に迫ります
« 第12回:院長という仕事の難しさ | メイン | 第14回 人事・労務管理のつきない悩み No.2 » 2008年06月05日
第13回 人事・労務管理のつきない悩み

 仕事柄、医療機関の現場の悩みを常にお聞きすることになるのですが、 その約半分以上を
占めるのが、人事や労務に関する悩みです。医療機関にとって、スタッフというのはサービスの
品質を決める中核であると共に、コスト面でも平均して売上の半分強を人件費が占めることが
多い(注:クリニックの院長人件費含む)ため、その上手な管理というのは経営における肝とな
ります。

 さて、人事・労務に関する悩みを大別すると
  1.採用募集
  2.人事考課(昇給、賞与) 
  3.人間関係
にまとめられます。以下、これらの悩みそれぞれについて、私が現場で出会う現実の課題と、
解決に向けての考え方を整理したいと思います。

 1.採用募集

  どんな医療機関であっても、採用募集を全くしていない医療機関というはお目にかかった
ことがありません。医療機関の世界では、平均して毎年3割近くの人員が入れ替わっており、
常に3割のスタッフが新規採用されているということになります。その中で、良い人材を見つけ
ることや、そもそも施設基準を満たすだけのスタッフを集めることは、経営における重要な課題
であり、相談も多いテーマになります。

 我々はこれらの課題に対して、一つの考え方を持って臨んでいるのですが、それは、”スタ
ッフ募集もマーケティングである”という点です。医療に関する資格を持ち、かつ医療機関で働
きたいという人は、よほどの僻地でない限り必ずいるはずです。それでもスタッフが見つけられ
ないのは、近隣の医療機関や似たような業務の医療機関と比較して、職場が魅力的でない
(魅力的に見ない)ことが原因の一つになります。マーケティングであるとするならば、“認知=
名前を知ってもらう”、“試行=見学・面接にくる”、“継続=採用が決まり辞めずに勤める”とい
う点を意識して対応することで、おのずと対策を立てることが可能となります。

 我々の経験でも、ある地方自治体の医療機関(町に唯一の病院)で、医師募集をお手伝いし
たプロジェクトですが、1年以内に医師の過半数が辞めてしまうということから、その採用のお
手伝いをさせていただくことになりました。その時、このマーケティング的な考え方を活かして、
病院の魅力を調査・整理し、それを全面に打ち出した採用活動を行ったところ、結果として辞
める分の医師を全て集めることができたのです。このときに言及した魅力は、病院と町民との
しっかりとした信頼関係、地域医療に根差した活動、また田舎であるがゆえに豊かな自然環
境などです。つまり、きちんと病院の特徴を認識・整理して、魅力的に見えるようにPRすること
により、スタッフがそこに魅力を感じて集まってきてくれたのです。

 マクロ的には人材不足であることは間違いない医療業界ですが、それぞれの医療機関の創
意工夫によってスタッフ募集も少し差をつけることが可能になります。この少しの差が、募集に
おいては大きな差となりますので、改めて現在の募集方法や募集文句を見直していただくとよ
いのではないかと思います。

 次回は、人事考課と人間関係について、お話をしたいと思います。

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