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Profile
株式会社メディヴァ
取締役 コンサルティング事業部長
小松大介
神奈川県出身。 東京大学教養学部大学院修了。 広域システム専攻。 人工知能やカオスの分野を手がける。 マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、(株)メディヴァを創業。 マッキンゼー時代には、データベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門としていた。 「医療の情報化」をテーマに、医療変革を目指す。 現在、新規開業支援、病院コンサルティング部門のリーダーをつとめる。
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医療機関経営の日記 コンサルタントとして日々直面する病院・クリニック経営の課題に迫ります
« 第10回 自治体病院の使命と国の政策 | メイン | 第12回:院長という仕事の難しさ » 2007年01月28日
第11回 オープニングスタッフ

 今回は、オープニングスタッフについてです。飲食店の開業でもそうですが、クリニックの開業や病院のリニューアル・増床の際には、一定数のオープニングスタッフが採用されます。新しい医療機関が始まる時ですから、採用する側は必死、応募者も若くてやる気の方が多いです。また、院長によっては、前職の勤務先から数名のスタッフを引き抜いてくることもあります。やはり、全く新しい医療機関、新しい組織、新しいやり方となってくると、信頼できるスタッフとスタートしたいというのは必然的な流れになります。

 ところが、このオープニングスタッフについては、開業後半年から2,3年でなんらかの不満を持ち、トラブルが起きたりして、辞めてしまうことが多いです。患者さんが増え始めてきて、経営がほっと一息ついたころに、問題が持ち上がることが多いので、院長もびっくりして裏切られたと感じることもあるようです。多くのクリニックで起きていることなので、採用時の見立てが悪いとか、院長の運営が悪いというのとは異なると思います。事実、やる気のある開業時に本気でがんばってくれたスタッフほど、あっさり辞めてしまったりしています。

 何故でしょうか。

 私が考えている一つの答えは次のとおりです。開業やリニューアルしたての時、院長もスタッフも一つのこと(経営の成功)に向かってがんばることができます。この時期、がんばればがんばった分だけ結果につながりますし、それまでに経験したことのないエネルギーのようなものを感じて、全員一丸となってすすめることができます。ところが、問題は軌道に乗り始めた=忙しくなり始めたときです。このとき、当然経営も上向いてきますので、各人が色々なことを考え始めます。ところが、その考える中身が立場によって全く異なるのです。例えば、、
 院長:「ようやくこれで借金返済の目処が立ちそうだ。このままの収支で行けば、我慢していた自分の収入も一息つける。スタッフにも金一封くらい出さないとな」
 スタッフ:「何もわからないオープニングからがんばってきた成果がでてきたな。忙しくがんばっているし、そろそろ賞与も昇給も期待できて、スタッフも増えて少し休めるかな」
という感じです。双方とも、「がんばってきた+成果を共有できる」という意味では一緒ですが、経営が見えている院長と、自分のことがどうしても中心になるスタッフではなかなか認識の統一が難しいです。結果、院長は十分に期待にこたえていると主って用意した賞与や金一封が、スタッフにとっては話しにならないということが起きてしまいます。

 この差を埋められるのは、定期的な情報公開や公平な人事システムになるのですが、診療も忙しくなってくる中、実際には難しいことが多いようです。でも、貴重なオープニングスタッフですし、中途採用で優秀なスタッフを雇うのは大変ですから、なんとかしていきたいですね。一部の先生方は、経営の数値を常に意識してスタッフと共有化し、必要な返済なども話をされているようです。外で話されてしまうリスクはありますが、検討を考えてみても良いのではないかなと思っています。


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