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連載コラム
Profile
株式会社ケアレビュー
代表取締役 加藤良平
1964年10月愛知県出身。1987年一橋大学経済学部卒業。大手都市銀行の営業企画部門で収益計画や業績評価、マーケティングマネジメント改革を担当。その後ITベンチャー企業のCFO、上場企業や大手医療法人の経営企画責任者を歴任。
各国の医療制度や病院経営に関する研究を進める中で、利用者の視点に基づく医療界の変革に大きな社会的意義を見出し、2004年11月に株式会社ケアレビューを設立。
http://www.carereview.co.jp
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第3回 患者さんの価値観の多様化

今回は、私の知人が経営する会社が開催したレーシック(近視矯正手術)フォーラムの様子を紹介したいと思います。

このフォーラムは、これから手術を受けようと考えている人や、レーシックに関心のある一般市民に対して、手術方法や適応範囲、術後管理の方法、安全性やリスク等についてわかりやすく紹介することを目的として、専門の眼科医4名によるシンポジウム形式で開催されたものです。最近ではレーシックに関する情報は雑誌やインターネットでもさかんに紹介されていますが、複数の専門医による話を生で聞くことができる機会とあって、200名程度収容できる会場は満員の盛況でした。

シンポジストとして登壇した4名の医師はいずれも相当の臨床・研究実績を有している方ばかりで、治療方針や説明スタイルにも非常にしっかりとした見識と自信を持っている印象を受けました。ただ、4名ともある意味では個性的なキャラクターが集まり、会場からの熱気に押されて医師ごとの主張の違いも明らかになるような、かなり本音でのトークも展開されました。

参考までに、4名の医師の説明スタンスや人物像から受けた私の印象は以下のような感じです。

医師A
--手術後に不満を感じた患者の事例紹介や、医師の経験不足による適応ミスの問題が増えていることも正直に説明
--とても真面目で誠実な人柄が感じられるタイプ
医師B
--臨床実績豊富な自信家で、チャレンジ意欲も旺盛だがリスク説明や術後の患者サポートにも一番力を注いでいる印象
--万事において如才なくこなすことができる優等生タイプ
医師C
--有名大学病院の研究医、研究実績や治療成績の高さと、自分も手術を受けて非常に満足していることを強調
--医師によるリーダーシップが強く感じられるタイプ
医師D
--安易な適応拡大には反対で、手術への感覚的な嫌悪感など患者の価値観も重視し、医師選びの重要性も力説
--マスコミ等でもよく紹介されるだけあって、オープンで親しみの持てる語り口が持ち味のタイプ

フォーラムは盛況のうちに終了ましたが、私は会場に集まった参加者の反応がとても気になったので、できるだけ多くの参加者へのインタビューを行ってみました。聞きたかったのはズバリ、「あなただったらどの医師を選びますか?」ということです。

結果は、私の予想に反して特定の医師に人気が集中することはなく、ほぼ4名とも均等な支持を得ていました。このことからも、ひとりひとりが理想とする医師像には予想以上に個人差があって、個人の価値観やニーズが多様化していることをあらためて感じることになりました。

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個人の価値観の違いは、患者満足度を考える上でもとても大事なファクターだと思うのですが、医療界ではこれまであまり議論されてこなかった視点ではないでしょうか?実際に私たちが研究した多くの病院や研究機関の患者満足度調査では、調査結果を患者さんの年齢層や性別などのデモグラフィカルな属性の違いで集計分析することはあっても、患者さんが求めるものとの関連において深い考察を加えているものは見当たりませんでした。患者満足度調査とは、個々の患者さんが期待していることと現実とのギャップを把握するために実施するのが本来の姿だと思うのですが。。。

次回以降、この個人の価値観と患者満足度の関係について、私たちの分析結果をもとに少し詳しく考えていきたいと思います。

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