2005年12月18日

クリニック成功のポイント

 ここでは、私どもが経験とデータに基づいて考えている、クリニック開業の成功のポイントについて、まとめさせていただきます。これらは、前述のアンケートや開業医ヒアリングに加え、実際に開業支援を行っている中で、担当コンサルタントが感じていることもあわさてまとめたものです。
 ただし、あくまで一般的な内科・小児科クリニックを中心に考えているものになります。診療科目によっては、まったく当てはまらないケースもあります。例えば、婦人科や精神科では入り口は少しわかりづらくて表から入るのがわからないほうが良いですし、在宅診療では施設・設備共にまったくことなります。また、整形外科や脳外科でMRIを導入するにあたっては、最新スペックだと高価すぎて採算のあわないことがあるからです。
 こうした点に注意していただきつつも、次のまとめをご一読いただくと、成功する開業のイメージの一端はご理解いただけるのではないかと思っています。

(*図:5(クリニック成功のポイント) )

2005年12月17日

成功した開業の事例紹介

 ここでは、成功した開業=“一定以上の患者数を集め、経済的には不安が少なくなった開業”のことを指すという前提にたって、深堀をしていきます。次の項目は、私どもが開業医に対して行ったアンケートの結果に基づいた、レセプトが多い開業医と少ない開業医の間で、統計的に差がでた項目の抜粋になります。

*図:4(成功した開業事例)

 これだけでも、かなり違いがあることがわかります。例えば、レセプトが多いクリニックでは、“待合室が広く”、“駐車場が確保されている”ことだったり、“事前に競合などの情報収集をしっかりおこない”、“スタッフの接遇をしっかりと教育”したりしているようです。確かに、私どもが訪問したクリニックでも、待合室を広くしたり駐車場の確保に努めているクリニックでは患者数の受入容量があがり、待ち時間とは関係なく患者数の最大値が伸びる傾向にあります。また、スタッフの対応は、流行り続けるクリニックとそうでなくクリニックでは歴然と異なっていて、患者さん、外部業者にかかわらず、丁寧で相手の立場にたった対応を心がけているクリニックでは、継続的に新しい患者さんが来ているようです。

 一方で、“戸建”か“ビル診”かという、そもそもの立地や開業コンセプトにかかわる問題もあります。今のところ、都心や駅前などは開業医過剰の場所が多く、逆に郊外や田舎ではスポットのように医者が足りない場所がたくさんあります。資金の問題はありますが、駅前ばかりに目を向けるのではなく、郊外の立地も検討の余地はありえますので、よく検討する必要がありそうです。

 次に、開業に成功したと私どもが考えているクリニックのヒアリング結果を掲載します。それぞれにそれぞれの事情があって、一概にくくるのは難しいですが、共通する患者さんへの意識や経営への意識を感じてもらえたらと思います。

1.Aクリニック
<概要> ・23:30までの夜間透析とCT、カラードップラーエコーの導入
 ・電子カルテ、DICOMサーバーで完全電子化を行い、カルテ開示も実施
 ・透析は早期に集患に成功。外来患者も獲得 

2.B診療所
<概要>
  ・郊外の新興マンション群におけるマンション敷地内診療所
  ・呼吸器科の女性医師が、広く研鑽を積み、内科~小児科に幅広く対応
  ・駅から徒歩10分と離れた場所にありながら、早期に患者増を実現し、半年で黒字化


1.Aクリニックの成功の要因(ヒアリング)

<概要> ・23:30までの夜間透析とCT、カラードップラーエコーの導入
・電子カルテ、DICOMサーバーで完全電子化を行い、カルテ開示も実施
・透析は早期に集患に成功。外来患者も獲得

  
<成功のポイント>
1.情報の開示(オープンカルテ)=診療の品質管理
単に患者参加型とか患者指向型ではなく、医療の品質管理を指向することが目的であり、医療のコンプライアンスを保持

2.最新機器の導入=高機能な医療を実現
CTを導入し、高機能医療技術を用いた高い診療レベルの医療を家庭医が日常的な症状を対象に行う。「CTを撮ってください」等の問い合わせは頻繁

3.口コミや情報交換が活発なコミュニティーに立地
4.EBMの実施=個々の患者様にあった治療

5.社会への貢献=地域活動への貢献
各地域にて料理教室や・学習会を開催し、患者様の心のケアから病気、疾患に対する正しい理解と知識を持って頂くことに寄与。

6.一般外来と予約外来の実施

7.23:30までの透析=透析患者への社会復帰

8.充実したスタッフ


2.B診療所の成功の要因(ヒアリング)

<概要> ・郊外の新興マンション群におけるマンション敷地内診療所
 ・呼吸器科の女性医師が、広く研鑽を積み、内科~小児科に幅広く対応
 ・駅から徒歩10分と離れた場所にありながら、早期に患者増を実現し、半年で黒字化

<成功のポイント>
1.駅前にこだわらず、駅から遠いが十分に周辺住民を見込めるエリアを探し出し、競合となる診療所の少ない開業を実現

2.内装を温かく癒しの空間とし、家庭的な雰囲気を演出。待合室やトイレの広さは十分確保

3.開業当初は、保母さん出身の受付などを採用し、子供への気配りにも配慮

4.あえて院内薬局を採用し、収支は悪化するが、患者サービスには寄与

5.開業前に市場調査を実施し、見込み患者数と合うような物件の条件を確保。結果収支の確保を早期に実現

6レセコン一体型の電子カルテを採用し、スタッフ数をぎりぎりまで詰める一方で、職種にこだわらず少人数でチームワークよく動ける、組織を作ることができたこと

2005年12月16日

成功する開業とは

 成功する開業とは?何でしょうか。「患者さんがたくさんくる」、「借金を予定より早く返済できる」、「地元の納税者ランキングにのる」、「多くの患者さんに感謝され、地域で頼られる存在になる」等々、成功には実は十人十色のパターンがあります。実際、多くの開業医の先生方にとって、開業とは人生最後の職場となっていて、人生をどのように過ごしていきたいのかということと強く結びついています。

 私どもがかかわってきた先生方との議論を整理してみたのが、下記の図なのですが、これだけでも、大きくは経営の成功とキャリアの成功に分かれていて、経営の成功とは言っても“売上げ高を伸ばし規模を大きくした”、“高い単価で効率的な経営をし医師一人で十分な収入を得た”というように、分岐しています。キャリアの成功まであわせると、臨床を楽しむことから、医療界への貢献、そもそも自分の時間を豊かに過ごすことなど更にパターンが広がります。

 とはいえ、いずれも成功した先生方に共通しているのは、「自分にとっての成功の定義とそれに向けた目標」をしっかりと持っていることだと感じています。だらだらと目標なくすごすことは、勤務医でも開業医でも結局は無益な時間の過ごし方になってしまいます。ゆったりとしたマイペースな時間をすごすこと自体が目標の場合は別ですが、そうでない場合は、時間は誰もが平等に持っている重要な資産です。是非、まずは明確な目標を持つことからはじめましょう。

*図(PPM-25)

2005年12月15日

マーケティング

 患者様を呼び込むためのマーケティングは、どのようなコンセプトでどのような媒体をどれだけの費用をかけて、といったことの設計が必要です。 媒体や対象となる患者様ごとに、その費用対効果が異なりますし、またクリニックの成長フェーズによっても徐々に変化させる必要があります。 多くの医療機関にとって、最大のマーケティングは「口コミ」ですが、口コミが威力を発揮するためには、継続的なメディアへの露出(看板含む)などでの、「見知った感じ」を作り出す必要があります。 こうした点を考慮して、クリニックごとに最適なメディアミックスを設計し、実行していきます。 例えば、開業前は、認知を高めるために、内覧会や事前ホームページ、チラシ等を活用し、開業後は、継続的な初診を得るために、医療内容を忍耐強く説明します。

*(図:c3 (マーケティングにおけるメディアミックス) )

2005年12月14日

行政各種申請

 行政各種の申請について、内容の精査および申請の代行をおこないます。 以下には、申請のリストをあげておりますが、疾病や地域によってはこれ以外にもございますので、個別にご相談をさせていただきます。

*図(PPM-24)

2005年12月13日

IT導入

 クリニックのIT化には、既にメーカー各社から様々な製品が販売されています。 しかし、やみくもなIT導入では、購買費用が上がるだけでなく診察効率が落ちてしまう可能性もあります。
 まずは、ITで何をしたいのか、整理をお手伝いします(診察効率を上げたい、人件費を減らしたい、患者マーケティング、臨床研究・治験、etc)。 その上で、必要な機能を選択し、トータルで最も適正なシステムプランを構築することになります。
 メーカーの選定についても、弊社が得意なメーカーはありますが、それにこだわらず先生に最も適したゼロベースでの評価基準を用います。

(*図:c4(上記文章の右に平行して図))

(*図:3(IT導入))

2005年12月12日

人事・採用・研修

 オープニングスタッフの選定は、施設と共に、クリニックのサービス品質にかかわるだけでなく、最も大きいコスト要因である人件費に影響を与える重要な課題になります。 募集ルートは様々ですが、一概にどれが良いとは言い切れないのが実態です。 先生方との相性とあわせて組み合わせていきます。 例えば、中核となる看護師1名は昔からのコネで採用を決め、あとの事務員などは当面、派遣業からのパートでまかなうなどです。

(*図:c5)

採用のプロセスに関する詳細はこちら


2005年12月11日

医療機器の購入

 医療機器の購入にあたっても、建築・内装と同じように相見積もりを行うことが基本となります。ただし、細分化されて特殊な機器が多いのが医療機器の特徴のため、ちょっとしたコツが必要になります。ここでは、いくつか基本的なポイントを列挙しておきます。

 ・最後まで、明確な購入の意思は伝えない   (どれだけ心に決めていても、それが見抜かれたら値段は下がりません)
 ・ニーズはできるだけ正確かつ迅速に伝える
  (必要としている機能を最初から明確にしておくことで、相手に考える余地を与えます)
 ・担当者に対しては礼儀正しく、ビジネスのスタイルで対応する
  (最後は担当の胸先三寸のところがあります。買わせたいと思わせること)
 ・できるだけ情報は整理しておき、いつでも対応できるように
  (下記の表も参考にしていただき、常にそれぞれの条件が比較できるように)
 ・最後の決めは、今後の付き合いところあいを大切に   (交渉を引っ張るほど安くはなりますが、やりすぎると次の購入で困ることがあります)

 できるだけ情報網を駆使して、購入の最低価格の実績なども理解しておいたほうが良いです。状況によってその値段まで下がらないこともありますが、交渉の目安となります。あとは、粘り強くがんばって、交渉を続けることしかありません。がんばっていきましょう。

(*図:2(医療機器の購入))

2005年12月10日

資金計画・調達

 資金調達については、いくつかのオプションがあります。 自己資金が十分であれば、後はリースだけで大丈夫ですが、一般的には自己資金が1000万あれば十分と考えられます。 あとは、国民生活金融公庫や自治体・医師会融資などを順に利用しつつ、金利が安い順に積み上げるのが重要です。 ただし最近は、ご自宅などの担保が無いとそもそもの融資自体が厳しい場合もあります。 その場合には、弊社の提携ローンによって、無担保5000万までサポートいたします。

*(図:資金運用ツリー PPM-20)

2005年12月09日

建築・内装

(図:1(建築、内装))

2005年12月08日

立地・市場調査 (患者ニーズ調査)

 立地の候補が見えてきましたら、まずは簡単な診療圏調査を行い、競合の存在や受療率から計算される「予想患者市場」の算定を行います。しかしながら、この分析ではおおまかな括りによる市場性しか分からないため、併せて現地視察と住民ヒアリングを同時に行います。

 これらにより、地域内患者動線(住民の生活ルート)の把握や、競合ごとの強み弱みとすみ分けの可能性、最終的な市場性の判断を行います。

(図:受療率調査例 PPM-19)

 立地によっては、患者向けのアンケートを実施し、定量的に地域におけるニーズの把握も行います。 また、あわせて競合に関するヒアリングを実施し、地域における役割分担や市場シェアなどの把握をする必要もあります。

(図:c8)
アンケート結果 医師について

2005年12月07日

構想棚卸し

 開業にあたって、先生方はそのご専門や経験に基づき、様々な思いがあるはずです。 プラタナスPPMでは、徹底したヒアリングと経験にもとづき、先生方に一番あった開業のコンセプトと形態を作り出します。

*(図:c7)

先生方には、ご自身の棚卸しと同時に、マクロな医療トレンドの理解も深めて頂くことになります。今後は、より生活習慣病の慢性期疾患ニーズが高まると予想されます

*図:shinkikaigyo_tanaoroshi
外来患者数の推移(千人:1日患者数 )
参考:厚生労働省 「患者調査」