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┃■┃■┃■┃ 用賀アーバンクリニック通信 臨時号 ┃■┃■┃■┃
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┃▼┃セミナー: 死生学を知っていますか?
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講師: ギルバート・慧 (Kei Gilbert)
日時: 11/12(土) 15:00~17:00
場所: 桜神宮会館 会議室 (東急田園都市線 桜新町駅北口徒歩2分
03-3429-0869 世田谷区新町3-21-3)
http://www.sakura.jingu.net/sakura.html
参加費: 無料
主催: 医療法人社団プラタナス
司会: 大石佳能子 (患者様サービス担当・監訳)
申込み: 電話(03-5717-6331)か mm-info@yoga-urban.ne.jp 宛にメールを
お送りください。氏名、連絡先(電話番号もしくはe-mail)をお知
らせください。
締切り: 11/04(金)
参考: 「悲しみから思い出に
―大切な人を亡くした心の痛みを乗り越えるために」
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┃▼┃監訳にあたって ー「死の悲しみ」を乗り越えるために
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慧さんに初めてお目に掛かったのは、もう2年近くも前のことだと思う。
慧さんとアメリカの赴任先で知り合ったという友人から「アメリカには
Thantology(死生学)という学問がある。日本人でアメリカにずっと暮らし
ているThantologist(死生学者)が来日するので会ってみないか」と誘いを
受け、その友人宅で慧さんのお話を伺うことになった。
集まったのは、その友人が同じく声を掛けた人たちや、そのまた友人等で、
20人近くにもなっただろうか。慧さんは、アメリカにおける死生学のこと、
今回の本にある「死の悲しみ」への対応方法、慧さん自身や周りの方の体験
等々について語られ、その後、集まった方々がご自身の「死の悲しみ」を乗
り越えた(もしくは、乗り越えられていない)体験を語った。
私にとってまず興味深かったのは、人類の歴史上の段階や様々な異なる文
化のなかで、「死」の扱いは異なっていたということである。本著にもある
が、そう遠くない昔、「死」は「生」と隣り合わせであった。それが近年、
「死」は「生」は隔絶され、日常生活からかけ離れたものになってしまった。
特に日本の場合、医療インフラが整備され、乳幼児死亡率が低くなったこと
は朗報であるが、同時に家で迎えるものであった「死」が病院で迎えるもの
になったことにより、「死」はより遠いものとなったのではないだろうか。
また、当日集まった方々がそれぞれの体験を語るなかで、「死の悲しみ」
を克服する方法はそれぞれ異なるが、他の人の体験から学ぶことも多いこと
に気付かされた。出口のない穴に入りこんでしまったような「死の悲しみ」
に遭遇したとき、慧さんの書かれたワークブックのような本があれば、完全
な解決にはならないにしても(完全な解決はありえない課題であるから)、
大きな助けになると感じた。
「死の悲しみ」を克服しようとしている時にこの本があったら、どんなに
良かっただろう。「死の悲しみ」に遭った人に、中途半端な慰めの言葉を掛
けるより、この本を差し出すことが出来れば、どんなに良いだろう。そうい
う思いを持つ多くの人のご助力があり、この本の日本語版は生まれたのであ
る。
この本は、「死の悲しみ」を克服する上で役立つ考え方や作業がいっぱい
詰まっている。思想的なことや抽象的なことだけではなく、非常に具体的で
プラクティカルな提案が書かれた実践的なワークブックであるため、「死の
悲しみ」を乗り越えるための歩み出しを可能とする。本に掲載された詩や絵
も、共感と慰めを呼ぶであろう。
私にとって最も衝撃的だったのは、「誤った認識」という章で、「死」や
「死の悲しみ」に対しての、誤った認識を列挙し、自分が当てはまるものに
印をつけることになっている。
□「悲しみを感じないように、努力しなくてはならない」
□「あれは“良い死”だったのだから、悲観的になるのはやめよう」
□「人前でないたりしてはいけない」
□「信仰によって悲しみは癒える」
□「人は悲しいときはみな同じなのだ。気丈に頑張っている人を私も見習
おう」
□「いつまでも悲しんだりせず、数ヶ月後には乗り越えているべきだ」
□「亡くなった人に対して悪い感情を持つべきではない」
よく言われていることが、実は必ずしも正しくない、と認識を変えるだけ
でも、随分と楽になる。この本は、死というものに対する認識を固定化せず、
メンタル・カウンセリングにおける「認知のあり方」を正す方法と似て、そ
れぞれの人が感じたいままに感じることが、悲しみから抜け出す第一歩であ
ることを伝えている。
最後に、この本が日本医療企画という医療的な専門書籍を多く発表してい
る出版社から出されることについて述べたい。この本は確かに、主として
「死の悲しみ」に遭遇した人を対象としているが、同時に医療者にとっても
役立つものであると信じている。
先日、ある癌センターの研究会に出席したおりに、「これからの高齢者
(団塊の世代以降)は戦争を知らない世代で、今までの高齢者と異なり、
「死」を身近に体験したことがない。家族は尚更である。「死」および「死
の可能性」への対応方法を全く知らないまま、「死」や「死の可能性」に直面
する人が増える。今後「心のケア」が益々重要となるだろう」という趣旨の
お話を伺った。
医療者の役割は、今までは「治す」ことであり、「死」は治せなかったこ
との帰結でしかなかった。しかし、今国民が医療機関に求めているのは、治
すことだけではなく、治る途中もしくは治せなかった場合も含めた、「体と
心の問題」への対応である。「死」を迎えた患者さんのご家族に対する心の
ケアは欠かせなくなるだろう。患者さんのご家族だけでなく、ケアを行う医
療者にとって、この本が一助となれば幸いである。
(患者様サービス担当・監訳 大石佳能子)
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